謹んで新年のお慶びを申し上げます。
直近3年間における最低賃金の全国平均上昇率は約5.3%に達し、加速度的な伸びを記録しました。情報サービス業は、公正取引委員会の調査においても「コストに占める労務費の割合が高い6業種」の一つに位置づけられており、最低賃金の上昇は利益を圧迫する最大の要因となっています。
しかしながら、発注者側には「労務費の上昇分は受注者の生産性や効率性の向上によって吸収すべきだ」という意識が根強く、原材料価格やエネルギーコストと比較すると価格転嫁が困難な現実があります。
こうした状況を踏まえ、公正取引委員会はサプライチェーン全体で適正な価格設定を定着させることを目的に、『労務費の適切な転嫁のための価格交渉に関する指針』を策定しました。
この指針では、発注者に対し次の点を求めています。
•労務費上昇を理由とした価格転嫁の要請があれば協議の場につくこと
•価格転嫁の要請を理由に取引停止など不利益な扱いをしないこと
•必要に応じて労務費上昇分の価格転嫁に関する考え方を提案すること
私たちはこの指針を積極的に活用し、経営の健全化を図ってまいりたいと存じます。
さらに、価格交渉の場は、私たちが提供するサービスの価値を改めて発注者にご認識いただく機会でもあります。ITと専門的な技術力を駆使して初めて実現できる高度なサービスを安定的に供給していること、その社会的意義を理解いただく場でもあるのです。業務停止が許されないエッセンシャルワーカーとして不可欠な存在である私たちに対し、正当な評価を訴求してまいりたいと考えております。
本年も、同業者として共通する課題の解決に向け、会員企業の皆様とともに活動を進めてまいります。本年も変わらぬご理解とご協力を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。
2026年1月
株式会社NID・MI
取締役 市川 雅康
ニュー・サービス事業研究会
会長 市川 雅康